|
印度は人口大国である。人材を他国へ求めることなどなかろう、と常識的な思いを抱いていた。だが、そうではなかった。
ウランバートルで第三火力発電所を見学した帰り、通り掛かりの「GOBI」の工場直営店に車を着けて仕舞った。警察官に囲まれた空間であった。何で警察官だらけかということは店内で理解された。印度から国賓を招いての歓待であった。店内で音楽の生演奏、ファッションショウも行われていた。国会議長の視察を受けてということであった。 モンゴルの警備はおおらかであった。注意されたのは国会議長に、同行の大西運輸の御手洗社長が店内で1メートルのニアミスをしたときであった。南牛とは2メートルの距離であったが注意されることはなかった。店内にはカシミヤ製品が見事に展示されていた。 愛知淑徳大学の真田幸光教授に印度の国会議長が国賓で迎えられていた話をしたら、「モンゴル人の能力に注目して経済発展に必要な人材を求めているのでしょう」と、教えられた。真田教授にはモンゴルに関わる著作もある。日本はモンゴルに相撲の人材を求めている。交通整理の警官など十両クラスが一杯いると同行の貿易商が述べていた。稀勢の里があの様では、大相撲は米国野球に見習うしかなかろうというのである。世界の巨人、力持ちの集まる場所と化せば大相撲は生き残れる、だろうというのであった。 地球を被う大帝国を建設した民族であり、秘められた才能があるらしい。印度のムガール帝国はモンゴル人の建てた王朝だった、とも言えるから、あの民族を防いだ民族はベトナムと日本しか存在しない。 ウランバートルでは博物館から書店まで、ユーラシア大陸を被うモンゴル帝国の地図が掲げられていた。赤色支那の高官が外モンゴルの高官に対し、支那(清)の版図であったことを告げ、暗に赤色支那への合流を促した処、支那がモンゴルの版図であった元朝時代を想起させ、内モンゴルの返却を迫った、などという話を、何処かの本で読んだ記憶がある。 日本では赤色支那脅威論が高まっているが、公共施設に大日本帝国の最大版図を示す地図を掲げたらどうだろう。大日本帝国は馬の代わりに航空母艦で築いた版図だが、樺太、千島、満洲、内蒙古、朝鮮、台湾、支那沿海部、ベトナム、ラオス、カンボジア、ビルマ、マレーシア、インドネシア、パプアニューギニア、ソロモン群島、南洋諸島から米国領のアリューシャン列島などなど、地球の三分の一を被っていた。 その大帝国を築いた蒙古族支流の日本人の秘められた能力とは何であろうか?そして隣の朝鮮人の能力とは?と考えさせられる。 朝鮮人の特長を表す歴史的事例では、中原に駒を進めなかった唯一の民族だとされている。事大主義が民族的信念と見られている。だが、それは朝鮮族の一支流、韓族が中原へ駒を進めなかった、だけである。朝鮮族のなかでも「白頭山神話」を奉じる幾つかの支流は中原に鹿を追っている。女真族などは幾つも中原に王朝を樹立している。 赤色支那が東北工程を設け、高句麗、渤海を支那の歴史に加えている。その内、朝鮮民族の歴史全般を赤色支那の歴史へ入れかねない状況である。李明博にその対抗策を期待できるだろうか? その点、北朝鮮は白頭山神話を奉じていることからして、中原へ駒を進める準備をしている、と見られる。日本では北朝鮮の脅威を説く「評論家」が多い。それら尽くに反論できるが、日本へ脅威を与えているのは赤色支那であり、北朝鮮のミサイルと核は白頭山神話を奉じる以上、中原へ向いていることが認識させられる。 白頭山神話の申し子である金正日総書記こそ、日本の安全保障の為に支援すべき隣国の指導者では無いのか。金正日総書記が満洲国軍中尉・朴正煕大統領を何故評価したのだろうか? 人材で言えば、ウランバートルでは北朝鮮の人民軍工兵隊への評価が高かった。 7月27日 南牛 安部桂司 |