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最近・北朝鮮経済事情 プリント メール
2009/11/15 Sunday 18:38:11 JST

最近・北朝鮮経済事情
朝鮮鉱工業研究家 安部桂司
(「軍縮」2009年12月号)

1:約束された土地・北朝鮮

 大日本帝国(以下帝国)が米国と太平洋の覇権を争えたのは、朝鮮半島北部に軍需工業を支える地下資源があったからだ。第2次世界大戦で核開発を行ったのは、太平洋の覇権を争った日米両国のみであった。両国は海を隔てた戦闘から核兵器の有効性に気付いたとも言える。その帝国の核開発を支えたのは現北朝鮮の版図内のウラン資源であった。帝国は天然ウランと弗素を化合させ、反応で生成した6弗化ウランを熱して、軽いU・235は上へ、重いU・238は下へと自然分離させる熱拡散法による分離・濃縮を行おうとした。

 この帝国の核開発を支えた朝鮮半島北部のウラン含有鉱物資源は、帝国崩壊後には、先ずスターリン指導下の旧ソ連(以下ソ連)、次に中華人民共和国(以下中国)が関心を示した。ソ連は核開発に必要なウラン鉱石を運ぶために、北朝鮮からソ連沿海州向けの鉄道建設を急いだそうである(下斗米伸夫「モスクワと金日成」2006年7月刊)。ソ連が中央アジアでウラン鉱山を見付けたのが1947年であった。米国の核開発に慌てて追随するため、当初東欧と北朝鮮のウラン資源に依拠してソ連は核開発を行ったのである。

 そのウラン含有鉱石のモナザイト(モナズ鉱石)は平安北道に豊富に産し、野口遵の創業した日本窒素肥料では興南に映画や青写真用のアークカーボンを製造する工場を建てた。この工場はアークカーボンの製造に必要な弗化セリウムを平安北道のモナズ石から抽出した。国際トレーディングは北朝鮮での合弁企業、国際化学合弁会社を平壌に設立し、成興市に工場を建設した。この国際化学合弁会社がモナズ鉱石からトリウム、ウラン、レアアースなどを分離抽出する作業をはじめたのは、1991年4月8日であった。日本では、「化学工業日報」紙が「きょうから操業入り」と、4月8日号で報道している。この国際トレーディングは、モナズ鉱石からレアアース(希土類)を生産する契機に、野口遵の日本窒素肥料が行っていた先例を挙げている。そして北朝鮮側での国際化学合弁会社設立の理由には、従来モナズ鉱石がソ連、赤色支那へ原料輸出するのみであったから、自国で処理出来る道を模索していたと述べている。

 朝鮮戦争で、成興近郊の旧日本窒素肥料系(以下日本窒素)の工場へ、米空軍はB29爆撃機を使って早い時期から爆撃を重ねた。その原因に、モナザイトの精錬工場があり、ソ連の核開発を支えている工場だという認識があった、との指摘もある。つまり、国際化学合弁会社の成興工場はB29爆撃機の爆撃で破壊された日本窒素のアークカーボン工場を再建した、とも言えるのである。むろん、国際化学合弁会社は操業前に、希土類工業を興すことによって期待される効果は、高純度金属精錬技術の向上、原子力工業への貢献を挙げている。

 6月の『産経新聞』(2009/6/14)紙に拠れば、北朝鮮がウラン濃縮に着手したと報道されている。北朝鮮の外務省がウラン濃縮の作業に着手したと声明を出したことを報道したのである。その声明は、将来建設する軽水炉の燃料確保のために「ウラン濃縮技術の開発が成功裏に行われ、試験段階に入った」というものだった。

 北朝鮮が自国の豊富なウラン資源の活用を図るのは、当然の行為でもある。帝国が北朝鮮のウラン鉱石からウランの濃縮を図り、核開発に走った事例を考えれば、非難する倫理的根拠は無い。日本は自国の安全保障の為、米国が北朝鮮の現状を犯さないように保証する措置を考えるべきであろう。そしてむろんのことだが、ウラン濃縮は核開発と分離するならば、日本が手を貸してやるべきであろう。さすれば、北朝鮮には巨万の富がもたらされ、国民は貧困から解き放たれる道を選択できる。


2:米国の朝鮮半島「鉱山利権」

 北朝鮮は対米交渉に拘っている。この2国間交渉に拘るのは、自国の安全保障を考えてであろう。それは北朝鮮を軍事的に封殺できる唯一の国が米国だからである。核実験を行ってから、米国を中心とした経済制裁は、北朝鮮に決定的なダメージを与えている。

 北朝鮮が帝国崩壊後の日本との国交を望むのは、その産業全般が日本との関わりのなかで力を発揮するからである。順次述べるとして、農業は水利の技術と稲の品種を日本から受け入れることができるならば、北朝鮮2000万の国民は食糧難から解放される。畜産業は黄牛の育成技術を日本へ求め、販路が確保されるならば、広い北朝鮮の産地は牧場と化すだろう。その黄牛を目指してアムール虎が南下してくる。朝鮮半島での虎の復活は経済活性の象徴でもあり、将来大きな観光資源となる。林業は信州カラマツでの造林作業が帝国敗戦で中途半端に終了した。朝鮮戦争で荒れた山野の復興には再度信州カラマツの植林が期待されている。朝鮮カラマツより、信州カラマツの方が成長することは知られている。水産業はステンレス鋼の進歩と石油化学に基づく浮体を製造できないことで、北朝鮮は増養殖業の発展から遅れてしまった。日本の水産資本が東海岸一帯へ投下されれば、数兆円の水産資源の回復がなされるであろう。銀サケの養殖事業は中国という巨大な胃袋を背後地に持つだけに一気に北朝鮮の東海岸を潤すだろう。

 そして鉱業は、北朝鮮は先に挙げたウラン資源にとどまらず、今後の世界経済を左右する「金」の埋蔵でも知られている。米国はウラン濃縮に拘るだけでなく、北朝鮮での金の採掘にも拘っている。米国は、米国より先に日本資本が北朝鮮へ入ろうとするとその邪魔を行って来た。それは第一に北朝鮮の鉱産資源を開発するのは、米国だという認識があるからだろう。

 雲山金山が帝国の版図内にあるから帝国の企業が操業すべきだという理由で、朝鮮総督府は米国資本の経営権を押さえた。米国の資本主義が鉱山利権に敏感なことは夙に知られている。それに雲山金山は米国共和党の米櫃であり、財布でもあった。それを理解できなかった帝国は、恐らくここら辺りが民主党のルーズベルトの陰謀だろうと推測されるが、昭和14年(1939)に帝国が米共和党の財布である雲山金山を接収してから、共和党まで帝国に批判的になり、日米交渉を暗礁に乗り上げさせた。戦争への第一歩は、そこから始まっていたのだ。

 この雲山金山を接収する考えは、近代主義を否定する考えであり、レーニンの帝国主義論に通じる思想であった。日本に理解を示していた共和党までが、日本を近代化過程の国から前近代的国家、資本主義を理解していない国だと認識するに至ったのである。ルーズベルト政権誕生以前の共和党政権下の米国では、満洲開発に理解を示し、帝国と手を携えて開発したい、資本参加を行いたい意向を示していた。雲山金山は朝鮮総督府の統治で治安が保たれていたから生産が保障されていた。米国資本は満洲でも治安が保たれていけば、鉱山開発などへ投資する機会を与えてもらいたいという、その進出を願っていたのだ。

 米国は朝鮮を植民地にしていたのではない。米国は帝国の崩壊後、当然のことながら雲山金山は返ってくるものと考えていただろう。つまり金正日政権は米国との対話では雲山金山の再開発という手駒を持っている。現在の雲山金山は稼働していないと見られている。埋蔵量1000トンの内、掘り出された金の総量は100トン足らずである。このことから、雲山金山が若い金山であることがわかる。それに雲山金山級の埋蔵量を誇る金山が、北朝鮮には幾つもある。


3.金正日の「現地視察」

 北鮮を北朝鮮の略称だと「広辞苑」が記述し、左翼の攻撃で訂正する。左翼の攻撃とは、その代表的人物が梶村秀樹だが、「北鮮」は「鮮人」などと同じく差別用語だというのだった。しかし帝国の時代に「北鮮」と言えば、成鏡南北道を指した。ちなみに、西鮮と言えば平安南北道と黄海道を指し、西北五道と言えば北鮮と西鮮を合わせた五道のことであった。だから、朝鮮総督府が唱えた「北鮮開発」は38度線から北の開発ではなく、成鏡南北道の開発を意味した。その北鮮開発に尽力したのが野口遵であった。

 野口遵は、北鮮が地下資源に恵まれた地域であることに着目し、興南に港湾を建設し、そこを拠点として工場建設を図って行った。ここを昭和15年5月に石橋湛山が訪れ、昭和2年には180戸ほどの半農半漁の寒村が、100万坪の工場を擁する11万5千人の都市に変貌している、と絶賛している。工場見学をした石橋湛山は、日本窒素の興南工場によるマグネサイトを原料にした金属マグネシウムの生産に注目している。そのマグネサイトから金属マグネシウムを製造する技術は、米国特許に依拠するものだった。

 野口遵はカーバイドを企業の出発点としたが、金属マグネシウムの生産を心懸け、モナズ鉱石から弗化セリウムを抽出するなど、北鮮開発では現地の資源に依拠する金属工業の躍進に心を砕いていた。野口遵の晩年に開発が進んだ鴨緑江の電力開発には、米国資本も色気を示していた。帝国が太平洋の覇権を米国と争う意図を持つようなことがなければ、野口遵は米国資本との提携も辞さなかったであろう。

 北朝鮮は富強な国家建設を約束された土地に建っているが、その開発には技術と資金不足が重なっている。そして金正日総書記の統治の特長には、米国も注目する政権の安定がある。それは資本進出を保証する治安が確保されている、ということである。既に、ドイツは端川に橋頭堡を築いた。

 金正日総書記の北鮮地域視察で特筆されるのは、『労働新聞』(6月16日付)に掲載された「政論」、「世界がわれわれを羨ましがるようにしなさい!」の文中に記載されている剣徳鉱山と端川市内の工場・企業所への現地指導である。以下、重要なので引用する。

「端川地区工場で先端技術によって夢にまで見た現代化の目標が達成され、経済的意義の非常に大きい朝鮮式の製品を創出している。この地区で起きている奇跡は、衛星発射や核実験の成功に値するほど、その意義は大きい。ここでは道ばたで踏まれる石ころさえも金塊・札束に化ける、天然の大宝庫の産地で現代化と技術革新の炎が燃え上がっている。前途は限りなく開け、将来の豊かな生活が目前に迫っている。“制裁”を叫ぶ列強の騒ぎが、無知であり、笑止千万でもある」

 ドイツが端川地区で生産される軽焼マグネシアに着目し、輸入し始めたのである。ドイツは国家の存亡を自動車産業に賭け、その軽量化に取り組みはじめた。軽量化とは、自動車を飛行機並みにすることであり、そのための金属マグネシウムの確保へ向けて、端川の背後地摩天嶺山脈のマグネシウム資源に着目したのであろう。金正日総書記の北鮮地域への現地視察は、健康回復と共に回を重ねている。最近では、9月になって摩天嶺山脈東側の金策(旧城津)市を訪れ、2企業を現地視察している。(「朝鮮中央放送「9月4日付けニュース)。


4:ウラン濃縮の意義

 北朝鮮のウラン資源について、ウラン鉱脈に2600万トンのウラン鉱が埋蔵されており、採掘可能量は400万トンに上ると見られている。代表的なウラン鉱山は北鮮(雄基、羅津、成興など)から西鮮全般に及んでいる。西北五道はウラン資源に満ちているなどと伝えられている。ここに挙げられて採掘可能量の400万トンは膨大な数字である。全世界の2010年時のウラン必要量は6万9000~7万5000トンだと予測されていた(「動燃校報」No.100、1996/12)。

 この「動燃校報」のレポートから読み取れるのは、1991年4月8日から北朝鮮が原子力工業に乗り出した真意である。つまり、濃縮ウランが近未来に不足するという事態を賢く見込んでの、ウラン資源の開発であったからだ。

 第1回目の核実験のときに、北朝鮮外務省は、1に科学部門で安全性の保障された核実験を行う、2つに北朝鮮は核兵器の先制使用を行わない、3つに朝鮮半島の非核化を実現するための努力をする、との骨子の声明を発した。日本では安倍晋三首相の誕生直後であっただけに、色々な憶測と分析がなされている。その中には、安倍首相の北京・ソウル歴訪を牽制しているとの見方も出ていた。北朝鮮の核実験カードは日・中・韓を動揺させ、この3か国に米国を説得する思惑がある(「読売新聞」ソウル=福島恭二、10月4日付)との報道もなされた。

 だが、北朝鮮が「科学部門で安全性の保障された核実験を行う」と述べた真意が分析されてない。北朝鮮の行う核実験が、北朝鮮外務省声明が挙げた3条件の範囲内とすれば、それはこれら3か国がウラン燃料不足の国家であることを見越しての声明だと理解すべきであった。日本は大量のウラン燃料輸入国である。同じく韓国もウラン燃料の輸入国であり、中国は近未来に大量輸入国化するであろう。

 結果として、大気汚染に悩まされている中国と韓国が、電力を原子力発電にシフトしつつある現状を睨んでの核実験となる。現在は原子力発電用の濃縮ウランを中国は自給できているが、極めて近い未来において輸入国へ転じることは火を見るより明らかである。原子力にエネルギー源を求める中国、韓国は北朝鮮の核実験によって、北朝鮮が濃縮ウランを大量に生産できる国だと認識せざるを得なくなった。北朝鮮はウラン資源が豊富なことは知られており、国際化学合弁会社がモナズ鉱石からウランを分離していること、及びイエローケーキを生産していることは1991年4月8日から明らかであった。だが、イエローケーキから先の金属ウランの精錬が行われていることは、確認されてなかった。そして従来、米国は北朝鮮の金属ウランの精錬に対し、厳しい対応を行ってきた。それは北朝鮮から金属ウランが国際テロ組織に販売される事態を見越しての反応でもあった。北朝鮮の度重なる核実験は、米国も北朝鮮をウラン資源の豊富な国だと認識し、米・朝2国間交渉に腰を上げざるを得なくした。


5:私は共産主蔭の萌芽を見た!

 経済制裁下での北朝鮮経済は厳しく追い込まれている。だが、豊富なウラン資源を背景にしたウラン濃縮は、温室効果ガス削減を求める世界の環境事情のなかで、注目される事業となっている。中国が経済制裁を強化出来ず、何かと「経済支援」を行わざるを得ないのは、ウランをはじめとする豊富な北朝鮮の地下資源を無視できないからだ。中国が輸入しているレアメタルでは、ジルコニウム、コバルト、マンガン、チタンなど北朝鮮に豊富な鉱山の存在が確認されている。ジルコニウムは原子炉材に使われることから、今後の需要増は避けられない。それから耐食性に優れ、電子材料や医療機器材に盛んに使われている。更にガスの吸着性にも注目され、水素貯蔵にも使われている。

 コバルト20~65%とニッケル、クロム、モリブデンなどを含む金属は高温のなかでも強度を保てるため、航空機、ガスタービンなどに広く用いられている。コバルトとクロム、タングステン、鉄の組み合わせからなる合金は硬くて、耐摩擦性と耐腐食性に強いため、切削道具や硬質仕上面などに広く使われている。金属と機械工業を発展させつつある中国に欠かせない資源でもある。

 マンガンは大規模な粗鋼生産に必須の成分であり、有効な代替物の無い現状では、粗鋼生産量世界一の中国必須の金属資源である。中国が外洋へ出撃し、太平洋の底まで狙うのは海底のマンガン団塊を求めているからである。海底のマンガン団塊を取得できない中国の現状からすると、北朝鮮のマンガン資源は喉から手を出したい程であろう。

 チタンは合金として素晴らしい性質を発揮することから、先端技術に欠かせない金属となっている。更に産業的には二酸化チタンの需要が高い。白色顔料として化粧品に用いられる。この他にも二酸化チタンは紙の充填剤などに用いられることから、中国での需要は伸びている。

 それから閃亜鉛鉱に恵まれた剣徳鉱山にはインジウムが無尽蔵に産出する。インジウムは中国が世界でも輸出国として知られているが、北朝鮮が世界市場へ進出した場合、最も注目されるレアメタルである。インジウムは液晶ディスプレイの導電膜に使用されるからだ。

 それにレアメタル以外にも、中国は無煙炭の輸入国であるが、それは伸びている中国の製鉄業に欠かせない燃料であり、石炭を家庭燃料とする中国で無煙炭需要が増加しているからだ。レアメタルに分類されない金属資源でも、中国は茂山の鉄、恵山の銅を求めている。

 帝国は鮮.満経済とか、黄海圏経済とか、日本海ルートとかを昭和10年代に企画したが、それは朝鮮半島北部と満洲(現・中国東北部)の資源を一帯と考えると産業開発が進めやすかったからでもある。朝鮮半島北部の弱点は、一にコークス用炭を産出しないことにあった。

 前途に多くの困難が見込まれ、現実は豊かではない。それでも金正日総書記が剣徳鉱山の現地指導の後、北へ向かいながら「私はそこで共産主義の萌芽を見ました!」(「労働新聞2009/6/16「政論」)と述べたと伝えられることは、資源大国.北朝鮮の明日の姿を知らせている。


6:オパマ大統領のノーベル平和賞受賞と北朝鮮経済の明日

 10月10日の新聞は一面トップが「オバマ氏ーノーベル平和賞」の見出しが躍っていた。2009年度のノーベル平和賞をオバマ大統領が「核なき世界」主導が理由で受賞したのである。人々によりよき未来への希望を与えた、というのだ。

 新聞記事の肝心な箇所だが、「核なき世界」の理念と行動については「軍縮交渉の流れに力強い刺激を与えた」とし、気候変動問題では「オバマ氏の指導力によって、世界が直面する気候変動問題で、米国がより建設的な役割を果たすようになった」と評価したというノルウェーのノーベル賞委員会の声を伝えている(「朝日新聞」2009/10/10)。

 これを北朝鮮の核実験時の声明と併せ読む必要があろう。北朝鮮は朝鮮半島の非核化を訴えている。それは朝鮮半島を取り巻く諸国にも非核化を訴える前提であろう。日本は核武装してないが米国の核の傘に被われている。日本は核の傘を取っ払う義務を負うだけでなく、日本列島を核ミサイルの標的にしている中国へ核放棄を迫らざるを得なくなる。

 中国も大気汚染の進行から逃れ、需要の急増するエネルギー確保のためにも原子力発電を強化せざるを得ない。中国の原発建設は急ピッチで進められており、濃縮ウランの逼迫は目前である。

 オバマ大統領が取り組もうとしている温室効果ガスの削減が「核なき世界を目指す」ことと直結しているのである。それは北朝鮮の主張と裏表の関係にある。オバマ大統領が温室効果ガス削減に取り組めば、それは世界的な原発建設へ向かうこととなろう。そして必然的に濃縮ウランの欠乏を招き、結果として、北朝鮮の主張する濃縮ウランの生産を認めざるを得なくなる。

 石油の産出で中東の幾つかの国は「共産主義社会」に近い社会を築いている。金正日総書記に「共産主義の萌芽」を見させた背景には、豊かな地下資源とオバマ大統領の受賞理由が重なる。(あぺけいじ)

【参考資料】
片桐龍吉「野口遵」(東海出版社・1939年9月刊)
石橋湛山「満鮮産業の印象」(東洋経済新報杜・1941年2月刊)
桜井弘「元素111の新知識」(講談社・1997年10月刊)

 
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